もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開


私の前で素でいるなら、もっと内山くんのことを教えてよ。


もっと、もっと、知りたくなった。


他人と深く関わることを避けていたけど…

なんで、こうも内山くんが気になるんだろう。



「手、大丈夫?」


『自分でやったから…平気。
でもまぁ、ちょっと痛い…』


「どっちよ」



クスッと笑って見せると、内山くんがあたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。



『そう、もっと笑えよ?
楽しい時に笑う。面白い時に笑う。
これ、当たり前だろ』


「じゃぁ、内山くんも笑ってよ」



クラスの中心にいるように、キラキラ笑ってよ。



『…杉崎がちゃんと心から笑ったら考える』


「なにそれ」


『俺はクラスにお前の居場所を作るつもりだけど?』



居場所…────


自分の机と椅子だけがあたしの唯一誰も邪魔されない場所。


そこから連れ出すってこと?



< 30 / 276 >

この作品をシェア

pagetop