もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
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内山くんは自転車を押してあたしの隣を歩いて、学校を出てからの坂道を下っていく…
…帰りたくない。
これが正直な答えだった。
家にも学校にも、自分の居場所がないあたしからすると、まだ学校に居る方が気が楽だ。
『な、俺の後ろ乗れよ?』
「へ?」
自転車に乗って、内山くんは親指で後ろを指す…
乗れって言ったって…スカートだし、てか自転車の二人乗りって違反…
『ほら、早く』
「…もう、しょうがないな」
内山くんの後ろに乗るの、内山くんは悪戯げに笑った。
『手、腰に回さなくていいの?
振り落とされても知らねぇよ?』
「手!?え…」
『早く』
あーもう!知らない!!
どうにでもなれ!!
目をぎゅっと瞑って、内山くん残しに手をグッと回す…
『…よく出来ました』
「…バカにして、って、わ!!」
勢いよく坂道を下る自転車はまるでジェットコースターみたいで…
『ちゃんと捕まってろよ!
あと、目、閉じてんなら開けろ!』
「む、無理!」
『無理じゃない、ゆっくり開けろって』
その言葉に仕方なく、ゆっくり目を開ける…
すると、目の前には真っ赤な夕焼け空が広がっていた…
「綺麗…」
『だろ?』
「うん」
いつもなら見上げて見る夕焼け空なのに、勢いよく下って見るとではまた全然違う。
こっちの方が格別だ…
すっごく、綺麗…