もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
また手からコップを取られて、ササッと拭いて食器を棚に片付けてしまった内山くん…
そして、ぎゅっとあたしを抱きしめた。
『辛かったら、いつでも俺に言え』
「…ひくっ」
そんなに優しい声で言わないでよ…
『わー、たぁーくん、あーちゃんのことぎゅうーってしてるー!』
「わー、ほんとだー!
でも、あーちゃん泣いてるよー?」
『ったく…
あーちゃんはちょっと、嫌なことを思い出したんだよ。
だから、慰めてあげてるの』
「泣いてる子には、よしよしだもんね!
せんせーが言ってた」
『そ、よしよししなきゃだろ?』
「うん!」
うぅぅぅ…
「ほら、ゆいちゃん、りょうたくんこっちにおいで?」
西山さんの声がして、ゆいちゃんとりょうたくんが離れていく足音がした。
…恥ずかしい。
だけど、涙は一向に止まらなくて。
『よしよし…思う存分泣け。』
その優しい声にあたしは、声を出して泣いた…───
もしかしたらずっと、誰かにこうされるのを待っていたのかもしれない。
ごめんね、内山くん。
それと、ありがとう。