もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
─拓叶 sideー
風呂から上がってリビングに行くと、ベッドに持たれて寝ている藍が居た。
『起きてるんじゃなかったのかよ』
小さく笑って、藍の頬にそっと触れた…
あれ、まつ毛…濡れてる
ほんと、よく泣く女だな。
でも泣いた分、必ず強くなれよ?
そう心の中で藍に呟く。
思えば、家に誰か居るなんて何年ぶりだ?
って、この家では初めてか。
2歳、歳上だった姉ちゃんは17歳でこの世を去った。
親のせいで…
『っ……』
藍…お前は死なせねぇ。
一人にしねぇ…
寝ている藍をそっと抱き抱えて、ベッドに寝かせる…───
スースーと小さな寝息を立てて寝ている藍の涙を指で拭った。
俺も髪の毛をタオルで乾かせて、横になって仰向けになると、藍が寝返りを打って藍の頭が胸に当たった。
そんなことされたら…
そう思ったと同時に、左手でぎゅっと藍を抱き寄せた。