もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
誰かの体温を肌に感じながら眠るって、こんなにも落ち着いて安心できるんだ…─
拓叶にぎゅっと抱きしめられる感覚がたまらなくなる。
拓叶の胸に頭を乗せているせいか、胸の鼓動がよく聴こえる…
小さな寝息を立てて、もう寝てしまった拓叶の左手は、あたしを抱きしめながら手を握られたまま。
龍也くんの時は、こんなこと一度もなかったな。
あたしから甘えるばっかりで、それを龍也くんは優しく微笑んで対応してくれてたっけ。
あたしの一方的な想いでしかなかった。
…だから尚更、本気の恋が怖い。
自分に誰かを好きになる資格はあるの?
そう問いたくなる。
不安になって、気付いたら拓叶の手をぎゅっと握っていた…
『…ん
どうした?寝れない?』
優しい声…。
安心させてくれる声。
「拓叶…」
『ちょっと震えてる』
「…」
『甘えろよ…俺に』
ダメ…………
そんなこと言わないで…
また失敗してしまうから。