もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
すると、急に足を止めた拓叶。
「拓叶?」
『…ん?あぁ、ごめん。行こ』
一瞬、拓叶から笑顔が消えたのが分かった。
不安を消し去るように、ぎゅっと握り直された手。
拓叶が見ていた場所を見ると、二人のカップルが仲良く歩いていた。
長年…というよりかは付き合いたてかな?
という30代半ばのお二人。
なんで、一瞬足を止めたのだろう。
お知り合いかな?
「拓叶はよくここに来るの?」
『へ?あぁ、一階で買い出しするぐらいだけどな』
空気を変えたくてどうでもいいことを聞いた。
「そっか、あ、拓叶は行きたい場所ある?」
『んー…本屋かな』
「じゃぁ行こう!」
少しでも、拓叶の気持ちを落ち着かせたい。
あたしに笑いかけたあと、少し暗い表情になる…