もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
本屋に着くと、拓叶は写真集が並ぶ場所で足を止めた。
「空?」
『あぁ。
なんか惹き付けられるんだよ。』
拓叶は右手でページを捲ると、そこには2枚分に渡って、綺麗なオレンジ色に染まった空が写っていた。
思わず、見とれてしまうぐらい…
すると、固く繋がれていた手が少し緩くなったのがわかった。
空、好きなんだ…
そして口元が少し上がって…
「拓叶はさ、どんな空が好きなの?」
『んー…やっぱ夕焼け』
「夕焼けかぁ」
ふと、この前二人で一緒に見た夕焼けを思い出した。
あの日の夕焼け空は格別だった…
『藍は?』
「あたしは…青空かな」
『へー、なんで?』
「青空って朝じゃん?
なんか今日も一日頑張ろー!って思えるし。
夕焼け空は夕方だからお疲れ様って感じがして、夜はおやすみって…」
『ははっ』
そこまで言うと急に肩を震わせて笑った拓叶。
「なに?何か変?」
『いや、その考え小学生かよ』
「な、これでも真剣に」
『ははっ、面白いやつ』
ムッ…バカにして…
でも、結果
拓叶が笑ってくれたら良い。