もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
episode 3.
>>変わり始める環境。
付き合ったことを、みんなに見せつけるように手を繋いで教室に入った日から、クラスのみんなが拓叶を見る目線が変わってしまった。
拓叶の側に居た友達も一人を除いて、みんな離れてしまった…
ただ一人、拓叶と何も変わらずわいわい話しかける漣くん。
漣 水瀬 (Sazanami minase)
漣くんはいつも拓叶のそばに居た人で、おちゃらけた性格でいつもニコニコ楽しく笑って、場を盛り上げていた。
「えーっと、今日は文化祭に向けて私たちのクラスの出し物を決めたいと思います!
そこで…誰か仕切ってくれる人いない?
できれば…男女二人ずつの四人で文化祭実行委員を…ね?」
LHRでお人好しの先生、みんな慣れ親しんで七里先生は、ななちゃん先生って呼ばれている。
ななちゃん先生は、少し前とは違うクラスの雰囲気を気にしてか、声のボリュームがだんだん小さくなって、目がおろおろしていた。
『はいはーい!
じゃぁ、俺とあと拓叶な!
いいだろー?』
『ま…いいけど』
漣くんはバッと手を挙げて、拓叶を引っ張って教卓へ上った。
文化祭…か。
『あと女子は、杉崎さん!!
いいよね?』
「……へ?」
『ほら、早く!!』
な、なんであたしが!?
言われるがまま、教卓へ上がるとクラスの女子から冷たい視線が突き刺さる…
「やっぱあた…『あと一人、女子誰かいるー?』
あたしの声を遮る漣くん…
絶対、わざとだ。
すると、ゆっくりオドオドしながら手を上げた一人の女の子。
『お!?川谷!!
他にいなさそうだから、ななちゃん先生これで決定でいいですか?』
「え、えぇ…いいわよ!
じゃぁ、あとの進行はお任せしますね!」
パパっと決めちゃった漣くん…
そしてオドオドしながら、あたしの隣に立った川谷さん。