龍使いの歌姫 ~幼龍の章~
レインが小屋を出て暫く、数人の足音が聞こえた。
レオンは小屋の外で、足音の主達を迎える。
「ようこそ。こんな森の奥まで、ご苦労様」
ニッと笑みを浮かべると、先頭にいた茶色のマントの男が前に出る。
「……幻惑の魔法使い。姫様の命により、お前を殺す」
背中に背負った大剣を抜き、レオンへと向けた。
「かつての友人なんだし、レオンと前のように呼んでくれてもいいのに。竜騎士……いや、ロラン」
男―ロランは、青い瞳でレオンを見ている。その瞳の奥には静かな殺気を纏って。
「良くここが分かったね?」
「お前の気配は独特だからな」
ロランの言葉に、クスッと笑ってしまった。独特の気配―つまりは、魔力。
「なるほどね。でも、それだけが理由じゃないと思うけど?」
「……レオン。何故城から姿を消した?何故龍王様と姫様を裏切った」
「裏切るもなにも、別に僕は王家に仕えていたわけじゃない。僕はいつも、自分の思うままに生きてる。そして、城から去ったのは、そうするべきだと思ったからだよ」
ただ静かに微笑み、思考を読ませないこの男が、ロランは苦手だった。
友人というが、本心を見せてもらったことはなく、レオンが勝手に友人扱いしていただけだ。
「……戻る気はない。そう言うことでいいのだな?」
「そうだね」
「なら………死ね!」
言葉と共に踏み込むと、大剣を振り下ろす。
だが、レオンは避けなかった。
「!!」
頭から真っ二つに切り裂かれた体からは、血が出ておらず、中身はすべて黒に染まっていた。
そして、光の粒と共にレオンの姿はかき消える。その光景に、ロランの後ろで成り行きを見守っていた部下達は狼狽える。
「血を流すことなく消えたぞ?!」
「やはり、化け物だ!」
「だが、これで反逆者は消えた」
お互いに顔を見合わせながら囁きあっている部下を横目で見ると、ギリッと奥歯を噛み締めた。
レオンは小屋の外で、足音の主達を迎える。
「ようこそ。こんな森の奥まで、ご苦労様」
ニッと笑みを浮かべると、先頭にいた茶色のマントの男が前に出る。
「……幻惑の魔法使い。姫様の命により、お前を殺す」
背中に背負った大剣を抜き、レオンへと向けた。
「かつての友人なんだし、レオンと前のように呼んでくれてもいいのに。竜騎士……いや、ロラン」
男―ロランは、青い瞳でレオンを見ている。その瞳の奥には静かな殺気を纏って。
「良くここが分かったね?」
「お前の気配は独特だからな」
ロランの言葉に、クスッと笑ってしまった。独特の気配―つまりは、魔力。
「なるほどね。でも、それだけが理由じゃないと思うけど?」
「……レオン。何故城から姿を消した?何故龍王様と姫様を裏切った」
「裏切るもなにも、別に僕は王家に仕えていたわけじゃない。僕はいつも、自分の思うままに生きてる。そして、城から去ったのは、そうするべきだと思ったからだよ」
ただ静かに微笑み、思考を読ませないこの男が、ロランは苦手だった。
友人というが、本心を見せてもらったことはなく、レオンが勝手に友人扱いしていただけだ。
「……戻る気はない。そう言うことでいいのだな?」
「そうだね」
「なら………死ね!」
言葉と共に踏み込むと、大剣を振り下ろす。
だが、レオンは避けなかった。
「!!」
頭から真っ二つに切り裂かれた体からは、血が出ておらず、中身はすべて黒に染まっていた。
そして、光の粒と共にレオンの姿はかき消える。その光景に、ロランの後ろで成り行きを見守っていた部下達は狼狽える。
「血を流すことなく消えたぞ?!」
「やはり、化け物だ!」
「だが、これで反逆者は消えた」
お互いに顔を見合わせながら囁きあっている部下を横目で見ると、ギリッと奥歯を噛み締めた。