イケない☆時間




「だから、逃げたかった」


「仕事場から?」



「そう、」



秋埼春斗はそう言ってあたしの耳にフゥっと息をふきかけてきた。



あたしはそのせいで、体を大きく反応させてしまった。



顔をあげると、秋埼春斗はニヤニヤしながら




「感じちゃった?」



とか、聞いてきた。


あたしは体を今度はプルプルさせて、



「んなわけないでしょ!!?」



と、叫んだ。


この際、近所迷惑とか関係ないわ!!!!!



「あんた、俺のファンなんだ?」



「へ?」




秋埼春斗の方に顔を向けると、あたしの部屋にある茶色の大きなクローゼットを開けていて、



洋服の隣にある秋埼春斗グッズを指差しながらそう言った。




うげっ!!!!!



ばれた!!!!



「ふぅ〜ん。あんたが俺のファン。ねぇ?」



なによ、そのニヤニヤ顔っいつもテレビに出ている、クールで綺麗な低いトーンの声はどこに行ったのよ。


「決ぃ〜めた!!!!」
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