イケない☆時間
秋埼は見事にあたったあたしの足に蹴られたすねをイライラしたような顔で抑えてあたしを睨んでいた。
「お前、とことんムカつく奴だな」
ギッとした目で睨んでくる秋埼は獣みたいだった。
「だって、学校始まるじゃん」
あたしは、服装を整えながらそう言った。
今の時間は8時過ぎている。後少し気づくのが遅かったら、アウトだった。気づいてよかったぁ…。
「んじゃ、あたしは学校行くから。ぁ、おるすばんヨロシク。」
「ぁ?母親がいるんじゃねぇの?」
「お母さん、朝早くに出て夜遅くに帰ってくるからいないの。んじゃヨロシク
後、絶対しないと思うけど下着あさくったら殺すから♪」
あたしの満面のニッコリ笑顔とその言葉に秋埼はチッと舌打ちをして、しかめっつらしていた。
「んじゃ、これだけやらせて」
そう言った秋埼は玄関を出ようとしたあたしの手を引っ張って、引き止めた。
それと同時に
――――――ちゅ
耳に入ってきた、小さな小さな甘い音。