絶対命令アプリ
美奈は涙目を浮かべていたけれど、あたしは何もできなかった。


美奈はそれを怨んであたしにアプリを紹介してきたんだろうか?


だけど、それならあたし1人じゃないはずだ。


クラス内には美奈が奴隷扱いされている姿を、笑いながら見ていた生徒もいる。


「なんであたし……!?」


思わずそう口走っていた。


背中から嫌な汗が噴き出して来るのを感じる。


心臓がいつもの倍の速さで打っているのがわかった。


落ち着け。


あたしはまだアプリをダウンロードしていない。


紹介されても、無視していれば安全地帯に居られるはずだ。


あたしはそう考え、美奈から送られて来たメッセージを無視したのだった。

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