絶対命令アプリ
☆☆☆

昇降口に到着すると、あたしは美奈の靴を確認した。


美奈はまだ来ていないようだ。


もしかしたら今日は来ないかもしれない。


そんな予感を抱きながら階段を上がって行く。


「お腹減った。ジュース買って来て」


階段を上がっている途中、2年D組の教室からそんな声が聞こえ漏れて来た。


黒板の張り紙の存在を思い出し、あたしはそっと2年D組へと近づいた。


このクラスはいつでも教室の窓やドアが開け放たれているのか、今日も中は丸見えだった。


覗き込んでみると、あの茶髪の女の子がクラスメートと思われる女子から小銭を手渡されているところだった。


「あたし紅茶」


「あたしはリンゴー」
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