絶対命令アプリ
そう言って次々とお金を茶髪の少女に投げ始める。


茶髪の少女が顔を上げてクラスメートを睨み付ける。


怒るのかと思いきや、しゃがみ込んで投げられた小銭をかき集め始めたのだ。


その姿に笑い声が響き渡る。


あたしは茫然としてその様子を見つめていた。


たった1日でこんなに変化してしまうなんて……。


すべての小銭をかき集めた少女は、小銭を握りしめてこちらへと歩いてくる。


あたしは咄嗟に身を隠していた。


少女はあたしに気が付く事もなく、フラフラと夢遊病者のように歩いて自販機へとむかっていたのだった。
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