絶対命令アプリ
昨日まで普通のクラスメートだった子たちが、どんどん変わって行く。


振り向いて教室の前方を確認してみても、颯樹たちの行動を咎める生徒は誰もいない。


みんな見て見ぬふりを決め込み、自分のとって一番大切な勉強に打ち込んでいるのだ。


再び強い吐き気が込み上げてきて、あたしは教室を駆け出した。


こんなのおかしい。


こんな状況で勉強なんてできるワケがない。


あたしはそのまま階段を駆け下りた。


颯樹と出合ったのはこの学校に入学してからだった。


地元では難関高校の1つとして有名で、入学後も遊びより勉強を優先させなければならない。


そう知っていたけれど、あたしは弁護士という自分の夢を叶えるためにこの学校を選んだんだ。
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