絶対命令アプリ
「ダメなんだ。昨日の内に学校へ来いって命令されてたから」


亮太が俯いてそう言った。


その言葉にあたしは颯樹を見る。


颯樹は今他の生徒たちの同じように教科書を広げ、次の授業の予習をしていた。


「そっか……」


そうやって奴隷を捕まえておけば、王様は奴隷を丸1日こき使う事ができるのだ。


美奈の場合もきっと同じかんじだろう。


あたしは諦めて自分の席へと戻った。


自分にできることはなんだろうと考える。


このままじゃ学校中にこのアプリが広まってしまうだろう。


そうなった時のことを考えると、寒気が走った。
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