絶対命令アプリ
「見ろよこれ」


そう言って人の目の前にスマホを突き付けて来た。


近すぎてなにも見えなくて、あたしは椅子を引いて少し離れた。


『おめでとう! これから24時間、あなたが王様だよ!』


丸っこいフォントでそう書かれているが目に入る。


「なにこれ」


「さっきのアプリ。ジャンケンの後起動しなかったくせに、授業が終わって確認してみたら、こんなのが出て来てた」


「ジャンケンに勝って王様になるってことは、これって王様ゲームだったの?」


そう聞くと颯樹は首を傾げた。


「わからねぇ」


「博に聞いてみたらいいじゃん」
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