絶対命令アプリ
受験前のこの時期に苦手な科目をサボるなんて、普通なら考えられない事だ。


けれど亮太は否定することも、拒否することもできずに立ち尽くしている。


「どうなんだよ? サボるのか、サボらないのか?」


「……サボる」


亮太が苦々しい表情を浮かべてそう言った。


「そうか。そう言えばお前俺と同じ大学受験するんだっけ?」


続けてそう言う颯樹に、あたしの胸にも嫌な予感が過っていた。


犬猿の中と噂されていても、目指している大学は同じなのだ。


そんな状況で主従関係になってしまったなんて、最悪な状況だ。


「お前さ、センター試験で手抜きしろよ」


颯樹の言葉にあたしは自分の耳を疑った。


「ちょっと颯樹、それはひどいよ」
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