絶対命令アプリ
思わず立ち上がり、2人の間に割って入った。


もう黙って見ていられない。


「貴美子には関係ないだろ」


冷たい視線を向けてそう言われ、一瞬言葉を失ってしまった。


颯樹がこんな冷たい目をするとは思わなかった。


「A組の生徒は全員希望大学に合格する。昔から、そうだったように」


あたしは恐怖とショックを押し込めてそう言った。


「そんなの綺麗ごとだ。落ちるやつは落ちるんだよ」


そう言って亮太を見る。


亮太は青ざめている。


今命令を下したって、センター試験の時にはもう主従関係ではなくなっている。
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