絶対命令アプリ
☆☆☆

昼休憩が来ると同時に、あたしはA組から外へ出た。


長い休憩時間になると奴隷がどんなふうに扱われるかわからない。


それをボンヤリ見ていられるほど、あたしの精神は強くなかった。


お弁当箱とペットボトルのお茶を持ち、足早に屋上へ向かう。


昼休憩の時には先生監修のもとで屋上の鍵が開けられるのだ。


1人で屋上へ出ると大きな空が広がっていて、あたしは思いっきり空気を吸い込んだ。


教室内に充満している陰湿な空気を体の中から吐き出して行く。


今日は天気があまり良くないから、生徒の姿は他にはなかった。


先生も、生徒がいないからかどこかへ行っているようだ。


あたしは気にせず木製のベンチに腰を下ろした。


屋上の地面は人工芝がひかれていて、ちょっとしたスポーツができるようになっている。
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