絶対命令アプリ
今はもう放課後だ。


A組だけ授業時間が長いから、隣のB組はすでに終わっているはずだった。


「そうだな。付いて来てくれ」


「は? なんてあたしが?」


「気分転換は必要だろ」


颯樹にそう言われ、あたしは半ば強引にB組へと向かった。


思っていた通りB組はすでにホームルームも終えて、生徒の数もまばらになっている。


「泰二!」


颯樹が顔見知りの生徒を見つけて、手招きをした。


やってきたのは短髪をワックスでツンツンに立て、右耳に赤いピアスをつけた生徒だった。


A組にはいないタイプの生徒で思わず後ずさりをしていた。


「颯樹。博ならもう帰ったぞ」
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