絶対命令アプリ
「ゲームをしていれば、その間は誰にもアプリを紹介しなくて済む。丁度よかったよ」


雅弘は青ざめながらもそう言った。


本当は怖いのに、それを表に出そうとはしなかった。


「ゴチャゴチャ言ってないで、早く始めるよ」


美奈の言葉で現実に引き戻された。


あたしはこれから、必ず負けると分かっているゲームをしなきゃいけないんだ。


あたしは大きく息を吸い込んでスマホの画面を見つめた。


すでにジャンケンの手のイラストが表示されている。
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