絶対命令アプリ
それは頭では理解しているのに、すぐに返事をすることはできなかった。


教室へ戻ればまたクラスメートたちから冷たい視線を浴びる事になるだろう。


あのゲームだって終わっていないのだ。


そう考えるとあたしの心に重たい石がのしかかってきたように感じられた。


全身が気だるくて、吐き気がする。


そんな時、先生があたしの頭をポンッと撫でるように叩いた。


「A組のみんなはもう少し心に余裕を持った方がいいと思うのよね」


その声はどこか憐れみを含んでいるように感じ取れた。


「勉強ももちろん大切だけど、それだけが人生じゃないからね」
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