絶対命令アプリ
徐々に視線を動かして教卓へと向けるとそこに先生はいなかった。


代わりに、黒板に大きな文字で自習と書かれているのが見えた。


あぁ……。


美奈が救急搬送されたから、授業所ではなくなってしまったのだろう。


あたしはゆるゆると息を吐き出した。


その半面背中には冷たい汗が流れて行く。


みんなからの鋭い視線が容赦なく突き刺さる。


あたしはそれに気が付かないふりをして、自分の席へと移動した。


椅子に座り、すぐに英語の教科書を取り出す。


勉強に集中してしまえばこんな雰囲気、気にならなくなるはずだ。


そう思ったのに……。
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