絶対命令アプリ
あたしはそう言って颯樹を見た。


「お前なら勝てるだろ」


颯樹の言葉にあたしは目を見開いた。


颯樹はもう気が付いているのだろう、あたしとのゲームがフェアに戻ったということを。


「ジャンケン、強いんだろ?」


「……どうして知ってるの?」


確かにあたしはジャンケンが強かった。


子供の頃から相手の表情を読むことが得意で、ジャンケンなどの簡単なゲームの時には必ずと言っていいほど勝って来た。


「このゲームが始まってからクラスメートのことは独自で調べたんだ。ジャンケンの勝率を調べて行くと、お前がダントツで強かった」
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