絶対命令アプリ
それだけならまだ普通だったかもしれないが、あたしと颯樹はその2人から視線を離す事ができなくなっていた。


それは茶髪の少女が2人分の鞄を持っていたからだった。


鞄を持ちながら自転車を押しているから歩きにくそうだ。


「ジュース奢って」


「嫌だってば」


イライラしたように返事をしているのに、校門を出てすぐの自販機の前で立ちどまり財布を取り出している。


結局仲がいいのかと思いきや、「なんであんたなんかに奢らないといけないの……」と、文句を言っているのが聞こえて来た。
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