絶対命令アプリ
「貴美子は、あたしを奴隷として扱わないの?」


サンドイッチを頬張りながらそう聞いて来た紗菜に「奴隷なんていらない」と、すぐに返事をした。


「だけど手伝ってほしいことがあるの。1人じゃ難しいこと」


「手伝うってなにを?」


「このアプリに付いて調べてみようと思ってる」


そう答えると紗菜は不意を突かれたように瞬きをした。


「そっか、このアプリについて調べたら消す事もできるかもしれないんだ」


紗菜の言葉にあたしは頷いた。


「みんなこのアプリの使い方ばかりに囚われてるけど、仲間がいればきっと対処法が見つかる」


あたしがそう言うと紗菜の頬に赤みがさした。


希望が胸に湧いてきているのが理解できた。
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