絶対命令アプリ
その記事にあたしと紗菜は目を見交わせた。


亜美から新聞を受け取って記事を順番に目で追いかけて行く。


5分ほどで隣町の高校の事件について読み終わったけれど、他に気になるようなことは書かれていなかった。


「このアプリってもしかして……」


紗菜が震える声でそう呟いた。


「これだけじゃなにもわからないよ」


あたしは紗菜へ向けてそう言った。


もっと決定的な事が書かれていればいいけれど、『スマホのアプリ』なんて無限に存在している。


「だけど、隣町の事件に関してもっと調べてみてもいいかもね」


《絶対命令アプリ》も人を豹変させるアプリであることに違いない。


「明日、もう1度調べてみよう」


あたしは2人へ向けてそう言ったのだった。
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