絶対命令アプリ
「やっぱりそうだよね。この高校では逃げずに同じように相手を傷付け始めた。そうなる要因が元々あったってことになる」


「……《絶対命令アプリ》に支配されてた子たちが強硬に及んだ」


あたしの言葉の後に、紗菜がそう言った。


あたしも同じ考えだった。


真相はわからないけれど、元々大きな不満を抱えていたのが爆発したのかもしれない。


「いい加減にしてくれよ!」


途端に大きな子声が廊下から聞こえてきてあたしたちは顔を上げた。


「今の声、亮太だね」


亜美が言う。


あたしは頷き、ドアへと近づいた。
< 229 / 367 >

この作品をシェア

pagetop