絶対命令アプリ
廊下を確認してみると、亮太と颯樹が一緒に歩いてくるのが見えた。


「うるさいな犬」


颯樹がそう言って笑っている。


途端に亮太はその場に四つん這いになり、犬のように一歩一歩歩き始めたのだ。


その光景に呼吸が止まる。


颯樹と亮太の主従関係はもう終わっているはずだ。


「なにしてるの!?」


咄嗟に廊下に飛び出したのは紗菜だった。


「なにって、見てのとおり犬の散歩」


颯樹がヘラヘラと口元を歪めてそういった。


「亮太とのゲームはもう終わったはずだよね!?」


紗菜がそう聞くと、颯樹は「ゲームは何度でもできる」と、答えたのだ。
< 230 / 367 >

この作品をシェア

pagetop