絶対命令アプリ
「なんで亮太ばっかり……。そんなに亮太のことが嫌いなの?」


あたしは颯樹へ向けて聞いた。


颯樹へ対する気持ちがどんどん冷たく冷えて行くのを感じる。


今はただ、亮太に執着してとことん傷つけてやろうと考えている颯樹のことが、悲しかった。


「嫌い? まぁ、嫌いは嫌いだけどな」


颯樹は愉快そうな声でそう言った。


「2度めのゲームはこいつが乗って来なかったから、勝手にカウントダウンが始まって勝手に負けたんだ。俺のせいじゃない」


ニヤついた笑みを貼りつけたままそう言う颯樹。


ゲームに乗らなければカウントダウンが始まると言うのは、昨日の時点でみんな知っていたことだった。


だから颯樹はわざと亮太を選んでゲームに誘ったんだ。
< 231 / 367 >

この作品をシェア

pagetop