絶対命令アプリ
「もしかして、もうジャンケンしました?」


「したけど?」


颯樹の言葉に少女は今度は大きなため息を吐き出した。


「それなのにここでボーっとしてるこってことは、本当に使い方を知らないんですね」


年下のはずなのに、少女が憐れみの表情を浮かべてそう言った。


そして今度はあたしをマジマジを見つめて来た。


「もしかして、ジャンケンの相手ですか?」


「あ、あたしは違うよ」


少女の質問にあたしは首をふってそう返事をした。


「ってことは、先輩はゲームをしたのに対戦相手はここにはいないってことですね。つまり、先輩は王様だ」


少女が颯樹を指さしてそう言った。
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