絶対命令アプリ
☆☆☆

せっかく3人で学校をサボってまで来たのに、収穫はゼロだった。


申し訳ない気持ちが込み上げてきて、歩調が自然と遅くなっていく。


「気にしなくていいよ」


そう言ってくれたのは紗菜だった。


「そうだよ。あたしたちは自分の意思で貴美子に付いて来たんだから」


亜美がそう言い、あたしの肩を叩いた。


あたしも2人の気持ちには途中から気が付いていた。


それなのに何もできなかった自分が情けないのだ。


できれば大きな収穫を持って帰りたかったのに……。


そう思いながら高田高校の校門を出た時、「なにか用事?」と、声をかけられて足を止めた。
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