絶対命令アプリ
☆☆☆

それから4人で近くのファミレスへと移動した。


隣街の制服を着ているから少し目立つけれど、もう学校は終わっている時間なので堂々としていればいい。


あたしたちは窓際の4人席に座り、ドリンクバーを注文した。


「それで、わざわざここまで来た理由は?」


アイスコーヒーをひと口飲んで、清野さんがそう聞いて来た。


あたしは目の前のオレンジジュースには手を付けず、姿勢を正した。


「あたしたちの学校にも《絶対命令アプリ》が広まっています」


あたしの言葉に清野さんは口をポカンと開けて驚愕の表情を浮かべている。


「おい、冗談だろ」


しばらく唖然としていた清野さんが、枯れた声でそう言った。


「本当です」


紗菜が隣からそう言った。
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