絶対命令アプリ

中身が詰まっているペットボトルが少女の腹部にぶつかって地面に転がる。


その衝撃に茶髪の少女が顔を歪めて身を屈めた。


「ちょっと、なんてことするの！」


慌てて茶髪の少女に駆け寄ろうとしたところを、黒髪の少女に阻止されてしまった。


「早く」


黒髪の少女の命令に、茶髪の少女が舌打ちをしながらも動き出す。


「ほらね。本来なら従わないような相手でも、簡単に従わせることができるんです」


茶髪の少女は黒髪の少女の指示通りオレンジジュースを買って戻って来た。


その間もずっと荷物を2人分持っている。


「だけど、さっき博に電話をしても電話にでなかったぞ。命令を聞くなら電話にだって出るんじゃないのか？」


「電話じゃダメです。本人の目の前で命令を下さないと実行されません」