絶対命令アプリ
ゲームが現実に反映されるなんて、きっと誰も信じない。


「俺は大丈夫です。ありがとうございます」


男子生徒が震える声でそう言った。


まだ目には涙が浮かんでいるけれど、そこには強い意思が感じられた。


「でも……」


このままほっておくわけにはいかないという気持ちが強かった。


ここにいても、あたしにできることなんてほとんどないけれど。


「大丈夫。あいつを俺は絶対に許さないから」


男子生徒がこんどはハッキリとした口調でそう言った。


その声には強い怒り、殺気ともとれるものが見え隠れしていて、あたしは軽く身震いをしたのだった。
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