絶対命令アプリ
☆☆☆

2年D組の開け放たれていたドアや窓を閉め、あたしたちは再び階段を上がりはじめた。


「仕返しされてもおかしくないよね」


3年A組のドアの前まで来て、紗菜がそう言った。


今の光景を目の当たりにすれば、誰だってそう感じるだろう。


それが原因で5年前の高田高校の事件が起こったのだから。


「あたしたちは違う。きっとみんなわかってくれる」


あたしは自分自身にそう言い聞かせてA組のドアを開いた。


思った通り、机に座って勉強している生徒がほとんどだった。

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