絶対命令アプリ
あたしはその後ろをついて歩きはじめる。


「言ってたこと、本当なんだよな?」


チラッと振り向いてそう聞いてくる。


あたしは大きく頷いた。


「もちろんだよ。5年前《絶対命令アプリ》に関係してしまった人に話を聞いたんだから」


力強くそう言い、小道へと入って行く。


小川の流れる音が涼しげだけど、ひと気はなかった。


「そうか……。俺はまだゲームをダウンロードしてないんだ」


「それなら早くダウンロードして――」


そこまで言った時、あたしの体は民家の塀に押し付けられていた。


一瞬の出来事で何が起こったのか理解できない。
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