絶対命令アプリ
命令
あたしはどうにか立ち上がり、学校へ向けて歩いていた。


ツバサの豹変した顔を思い出すと強い寒気に襲われ、自然と歩調は速くなっていた。


スマホを握りしめて体育館へと入って行く。


体育館の中ではバスケ部とバレー部が半々で練習を行っていた。


それを横目で見ながら観客席へと上がって行く。


客席の奥にボクシング部の練習場所はあった。


重たいドアを開けると沢山の筋力トレーニングの道具が所狭しと置かれていて、その中央にリンクがあった。


「貴美子?」


あたしに気が付いた歩が縄跳びをやめて近づいて来た。


「次のゲーム。歩とだよね」


あたしは震える声を押さえてそう言った。
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