絶対命令アプリ
☆☆☆

歩を連れて体育館を出ると、あたしは体育館裏へと移動した。


昔使われていた道具入れは今のもまだそこにある。


あの中で行われていたことを思い出しても、今はもうなにも感じなかった。


「命令ってなんだよ。アプリについて調べる事か?」


後ろから歩にそう質問されてあたしは「それはもう終わった」と、平坦な声で返した。


「じゃあ、なんだよ」


「ツバサを殺して」


自分でも信じられないくらいに冷たい声が出た。


一瞬沈黙が流れた後、歩のうめくような声が聞こえて来た。

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