絶対命令アプリ
『絶対命令アプリ』という名前の面白そうなゲームの内容を演じているだけだ。


「あの子たちの話が本当なら、博は今俺の奴隷ってことだろ?」


「そうだけど。そんなのゲームの中の話でしょ」


そう返事をして歩き出した。


颯樹と一緒にいる時間はいい気分転換になるけれど、そろそろ帰って勉強がしたい。


「なぁ、博の家に行ってみないか?」


腕を掴まれてそう言われ、あたしは唖然としてしまった。


「博の家って……まさか颯樹、本気にしてるの?」


「完全に信じたワケじゃない。だけど、本当だったら面白いだろ」


颯樹の目が輝き始めている。


サッカーをしているときと同じ目だ。
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