絶対命令アプリ
滲んできた涙を手の甲で強くぬぐった。


昨日あたしが発言した事により、A組の中でアプリが急速に広がっている可能性もある。


だけどそれはアプリが終る第一歩になるはずだ。


自分自身に強くそう言い聞かせた。


昨日の話を聞いて共感してくれた生徒だって少しはいるはずだ。


そう思い、あたしはテーブルの上のスマホに手を伸ばした。


紗菜と亜美からあたしを応援するメッセージが届いている。


2人はあたしと同じ考え方をしてくれているのだ。


それが理解できただけでも、随分と心は軽かった。


「行かなきゃ」


そう呟いてあたしはようやくベッドから起き上がり、支度を始めた。
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