絶対命令アプリ
「そうだね……」


あたしは力のない返事をする。


みんなの意識を変えたいと言う気持ちと、もう無理なのではないかという気持ちが自分の中でせめぎ合っていた。


「だけど、気にしてくれてる生徒もきっといるから」


「うん」


それだけが期待の綱だった。


全校生徒に協力してもらわないとゲームは終わらないけれど、少しでも仲間が増えればいいと思う。


そう思っていた時だった。


廊下の反対側から歩が歩いてくるのが見えて、あたしは思わず立ち止まっていた。

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