絶対命令アプリ
そうなれば、もうゲームをするしかないのだ。


その覚悟がヒナにあるかどうか確認したのだが、ヒナはアッサリと頷いた。


「その時はその時だよ」


そう答えて柔らかくほほ笑むヒナに動揺してしまう。


ヒナはおだやかな性格だから危機感を抱いていないのではないかと思ったが、それは違う。


教室内での出来事はヒナも見てきているのだ。


その上で紹介してほしいと言って来ている。


アプリに関わったみんなが取り乱し、混乱する中でも普段通りの自分でいられているのだ。


ヒナは冷静だ。


これなら、きっと大丈夫だろう。


「わかった」


あたしは頷いて、ヒナに《絶対命令アプリ》を、教えたのだった。
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