絶対命令アプリ
☆☆☆

「お前はヒナに愛されてるな」


休憩時間に入った時、颯樹が席を立ってそう言って来た。


「え?」


あたしは座ったまま颯樹を見上げてそう聞いた。


「ゲームが終ればお前も誰かにアプリを紹介しなきゃいけない。その時にきっと、お前は思い悩むだろ、それをヒナが救ったんだ」


颯樹の言葉にあたしはヒナを見た。


ヒナはあたしのナナメ前の席のため、その表情はわからない。


けれど、颯樹の言う通りヒナのおかげで救われたことは事実だった。


「ヒナもあたしと考えが同じなんだよ。ゲームをしなくても終わらせることができる。それに賭けたの」


「本当にそれだけだと思うか?」


颯樹に言われてあたしは眉を寄せた。
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