絶対命令アプリ
そう言われて小さく息を飲んだ。


「なに、言ってるの……?」


あたしは今歩との主従関係が続いている。


ゲームはまだ始まらない。


そこまで考えて思い出した。


そうだ、颯樹の場合は多数の人間とゲームができるアイテムを持っているから、そのルールが適用されないのだ。


そして颯樹は必ず勝つためのアイテムも持っている。


颯樹に目をつけられれば最後、対戦相手位に勝ち目はない。


あたしは自分の体からどんどん体温が抜け落ちて行くのを感じた。


震えるほどの寒さが体を覆い尽くす。


「お前に拒否権はない。もうわかってるだろ?」


颯樹の笑顔があたしの脳裏に貼りついた……。
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