絶対命令アプリ
☆☆☆

颯樹の家は学校から自転車で15分ほどの場所にあった。


徒歩のあたしでは30分以上かかる場所だ。


校門を出て1人で颯樹の家へと向かっていると、パン屋の近くで「おい」と声をかけられて飛び上がるほど驚いてしまった。


「颯樹?」


瞬きを繰り返して電信柱の影から出て来た颯樹を見つめる。


颯樹は自転車を引いていた。


「1人だな」


周囲を見回してあたし以外に誰もいない事を確認すると、あたしの隣を歩き始めた。


「……もしかして、待っててくれたの?」


そんなハズはないと思いながらそう訊ねると、颯樹はアッサリ「そうだ」と、頷いた。
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