絶対命令アプリ
それならどうして学校から一緒に帰らなかったのかと聞くと、歩の存在があったからだと言われた。


あたしが歩に何か命令をしていたら、颯樹は負けてしまうと考えたようだ。


「どうして歩に命令しなかった?」


歩きながらそう聞かれて、あたしは答えに詰まってしまった。


本当のことなんて言えるワケがない。


「奴隷扱いをしなくても、ゲームは終わる」


あたしは颯樹へ向けてそう言った。


顔色をうかがうが、颯樹はいつも通りで変化をみせなかった。


「ふぅん。もったいないな」


颯樹からすればそうなんだろう。
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