絶対命令アプリ
「A組の生徒はみんなそうだろ」


気だるそうな声で颯樹は言った。


「颯樹はどこを目指すの?」


そう聞いた次の瞬間だった。


あたしの体はベッドに押し付けられていた。


一瞬心臓が大きく跳ねる。


颯樹の顔が近くにあり、あたしをねめつけている。


「勉強の話は終わりだ」


颯樹の声が低くなる。


あたしは全身に悪寒が走るのを感じた。


ゴクリと唾を飲みこみ颯樹の顔を見つめる。


人肉の味を知ったオオカミようにこちらを見ている。

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