絶対命令アプリ
勉強したくなくてもしなきゃいけいないし、仕事をしたくなくてもしなきゃいけない。


「颯樹は完璧主義だから」


あたしは震える声でそう言った。


怖いんじゃない。


悲しいんだ。


涙を流すあたしに颯樹が驚いている。


「なんでお前が泣くんだよ。泣きたいのは俺の方だろ」


語気を強くして颯樹は言い、あたしの腕を掴んだ。


痛いほどに掴まれた腕が、颯樹の悲鳴を聞いているような気がした。
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